パキポディウム・マカイエンセの育て方|水やり・冬越し・実生を奄美大島での育成記録とともに解説

ぷっくりとした塊根と、そこから伸びる葉や棘が魅力的なパキポディウム・マカイエンセ。

SISU PLUS PLANTSでは、マカイエンセを奄美大島で種から育てています。

今回紹介するのは、2025年5月14日に播種した奄美産の実生株です。

種から小さな根が出て、双葉が開き、その次には本葉が出始める。

そこから少しずつ幹が太くなり、ぷっくりとしたマカイエンセらしい姿へ変わっていきます。

この記事では一般的な育て方だけではなく、播種、発芽、水やり、植え替え、屋外管理、冬越しまで、SISU PLUS PLANTSで実際に育ててきた記録を紹介します。

同じ日に播いた種でも、成長の早い株とゆっくり育つ株がありました。

そんな「一株ずつ違う実生の面白さ」も一緒にお伝えします。

※植物の成長は、気温・日照・用土・鉢・風・水やり・株の状態などによって変わります。この記事に掲載している数値や管理方法は、SISU PLUS PLANTSでの実育成記録です。すべての環境に当てはまる正解ではありません。


パキポディウム・マカイエンセとは?

パキポディウム・マカイエンセは、キョウチクトウ科パキポディウム属の植物です。

園芸では、

Pachypodium makayense(パキポディウム・マカイエンセ)

という名前で広く流通しています。

現在、Royal Botanic Gardens, Kew(キュー王立植物園)のPlants of the World Onlineでは、

Pachypodium rosulatum subsp. makayense

が受容名とされ、Pachypodium makayenseはシノニム(異名)として扱われています。

自生域はマダガスカル南中央部です。

SISU PLUS PLANTSで実際に育てているマカイエンセは、少しずつ塊根がぷっくりと育ってきています。

グラキリスと育て比べてみると、葉の形にも違いがあり、マカイエンセの棘は少し太く感じます。

成長も比較的ゆっくりという印象です。

ただし、棘の太さや成長速度には個体差や育成環境による違いがあります。ここはSISU PLUS PLANTSで実際に育てて感じた印象として参考にしてください。

奄美大島で種から育てたパキポディウム・マカイエンセ実生株

奄美大島でマカイエンセを種から育てました

今回使用したのは、2024年8月に国内で自家採取された種子です。

その種を2025年5月に入手し、2025年5月14日に20粒播種しました。

今回の播種データ

  • 種子:国内自家採取
  • 種子採取:2024年8月
  • 播種日:2025年5月14日
  • 播種数:20粒
  • 播種鉢:プレステラ90 × 2鉢
  • 1鉢あたり:10粒
  • 用土:SISU PLUS PLANTSのパキポディウム用土
  • 発芽まで:約1〜2週間だったと記憶
  • 発芽数:約半数
  • 発芽後、育成途中で枯れた株:なし

ここで注意したいのが発芽率です。

今回は20粒を播種し、およそ半数が発芽しました。

しかし、これは「マカイエンセの発芽率は約50%」という意味ではありません。

種子は鮮度や保存状態、播種環境などによって結果が変わります。

今回の結果は、2024年8月に国内で自家採取された種子を、約9か月後の2025年5月14日に播種した一例として参考にしてください。


播種前はメネデールとベンレートを使用

播種前には、種をメネデールとベンレートを使用した希釈液に約12時間浸しました。

今回のマカイエンセでは、種に切り込みや傷をつける処理は行わず、そのまま液に浸しています。

これはSISU PLUS PLANTSで今回行った播種方法の記録です。

メネデールやベンレートを使用したことが発芽率を高めた、と断定するものではありません。

【Amazon商品リンク:メネデール】

【Amazon商品リンク:ベンレート】


根が出て、双葉、そして本葉へ

実生(みしょう)とは、種から植物を育てることです。

マカイエンセを実生から育てていて特に楽しいのが、植物が生まれて育っていく過程を毎日見られることです。

種を播いて、ある日、小さな根が出てくる。

次に双葉が開く。

そして、その次には少しずつ本葉が出始めます。

昨日まで何もなかった鉢の中に新しい葉が出ている。

少し太くなっている。

同じ日に播いたのに、この株だけ少し成長が早い。

そんな小さな変化を毎日見ていると、一株一株がだんだん愛おしくなってきます。

大きく育った植物を購入して楽しむのとはまた違って、

植物が生まれるところから、少しずつ「マカイエンセらしい姿」になっていく過程を見られること。

これが実生の一番楽しいところだと感じています。


発芽後は約1年間、同じ鉢で育成

発芽した株はすぐに1株ずつ植え替えず、プレステラ90の2鉢でそのまま約1年間育てました。

そして2026年春ごろ、それぞれの株をプレステラ7.5へ植え替えています。

現在も基本的にはその鉢で育成しています。

植え替えて分かった根の個体差

2026年春の植え替えでは、面白い違いも見つかりました。

大きく育っていた株は、根もしっかりと展開していました。

一方、小さく育っていた株は、根の展開も少ないように感じました。

同じ日に播種し、同じ環境で育てていても、地上部だけではなく根の張り方にも違いが見られたのです。

ただし、

「根が多かったから大きくなった」

と原因まで断定することはできません。

今回確認できたのは、大きく育った株と小さな株で、植え替え時の根の展開にも違いが見られたということです。

パキポディウム・マカイエンセ実生株の植え替え時に確認した根の成長
Screenshot
パキポディウム・マカイエンセ実生株の植え替え時に確認した根の成長
Screenshot

同じ条件でも、これだけ個体差が出ました

実生を続けていて面白いと感じるのが、個体差です。

現在育てているマカイエンセは、プレステラ7.5で塊根部の横幅が約3.5cm前後の株が多くなっています。

ところが、その中には飛び抜けて大きく育った株もあります。

同じ2025年5月14日播種。

用土、水やり、肥料なども同じ条件。

それでも、その株はプレステラ90が窮屈になるほど大きく成長しました。

同じ日に播いた種でも、みんな同じ姿にはなりません。

一株だけぐんと成長したり、ゆっくり育つ株があったりする。

「この子はこれからどんな形になるんだろう」

そんな違いを毎日観察できるのも、種から育てる楽しみです。

これだから実生はやめられません(笑)。

同じ日に播種して同じ条件で育てたパキポディウム・マカイエンセの個体差
同じ日に播種して同じ条件で育てたパキポディウム・マカイエンセの個体差
同じ日に播種して同じ条件で育てたパキポディウム・マカイエンセの個体差


1年目は室内の植物育成LEDで管理

播種から約1年間は、主に室内の植物育成LED環境で育てました。

1年目の冬も、SISU PLUS PLANTSでは10℃を下回らない室内環境で、植物育成LEDと風を使って管理しています。

この環境では完全に成長が止まることはなく、冬もゆっくりと成長しました。

ただし、暖かい時期と同じ勢いで育つわけではありません。

冬には冬なりの、ゆっくりとした成長でした。

また、今回のマカイエンセは1年目の冬には落葉しませんでした。

これは「マカイエンセは冬でも落葉しない」という意味ではありません。

SISU PLUS PLANTSの温度・光・風が確保された室内環境で確認した実例です。


2年目の初夏から屋外管理へ

播種から約1年が経過した2026年の初夏ごろから、屋外管理へ移しました。

ただし、室内の植物育成LEDで育てていた株を、いきなり強い直射日光には当てていません。

最初は半日陰+遮光した環境からスタート。

そこから約1週間かけて、徐々に強い光へ慣らしていきました。

このように、育成環境の変化へ植物を少しずつ慣らしていくことを**順化(じゅんか)**といいます。

順化後は雨を避けながら、直射日光にしっかり当てて育てました。

同じ日に播種して同じ条件で育てたパキポディウム・マカイエンセの個体差
Screenshot

奄美大島での水やり

屋外管理では3〜4日に1回

SISU PLUS PLANTSの環境では、屋外管理中は3〜4日に1回程度水やりを行いました。

水を与えるときは少量ではなく、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与えています。

ただし、

「マカイエンセは3〜4日に1回水やりをすればいい」

という意味ではありません。

鉢の大きさ、用土、気温、日照、風などによって土が乾くスピードは変わります。

ここで紹介している頻度は、奄美大島のSISU PLUS PLANTSで今回の株を育てた実例です。


8月28日から再び店内LED管理へ

2026年8月28日に屋外管理から店内へ移しました。

現在使用している植物育成LEDは、

BRIM PANEL A 65W

です。

株からライトまでの距離は約30cm。

現在の環境では、店内LEDへ移したあとも水やりの頻度は屋外管理時とほぼ同じで、3〜4日に1回程度です。

水やりの際は、鉢底から水が流れるまでたっぷり与えています。

植物育成LEDの照射距離やLUX・PPFDについては、実際にSISU PLUS PLANTSで使用しているBRIM PANEL A 65WとCOSMO 22Wを使って別の記事で詳しく紹介しています。

【内部リンク:植物育成LEDの選び方|BRIM PANEL A・COSMOを実際に使った照射距離・LUX・PPFD管理】

BRIM PANEL A・COSMOを実際に使った照射距離・LUX・PPFD管理

マカイエンセに使っている肥料・活力液

SISU PLUS PLANTSでは、マカイエンセの用土にマグァンプと油粕とを使用しています。

また、生育期には、

  • ハイポネックス:液体肥料
  • リキダス:活力液

を、それぞれ約2週間に1度、同じタイミングで使用しています。

リキダスは肥料そのものではありません。

そのため、ハイポネックスなどの「肥料」と、リキダスのような「活力液」は分けて考えます。

ここで紹介している2週間に1度という頻度は、SISU PLUS PLANTSでの実際の使用例です。

商品によって対象植物や希釈倍率、使用方法が異なるため、実際に使用する際は必ずメーカーのラベル・説明を確認してください。

【Amazon商品リンク:マグァンプ】

【Amazon商品リンク:油粕】

【Amazon商品リンク:ハイポネックス】

【Amazon商品リンク:リキダス】


害虫対策としてオルトランも使用

SISU PLUS PLANTSでは、害虫対策として用土にオルトランも使用しています。

オルトランは肥料ではなく、害虫対策に使用する農薬です。

農薬は製品ごとに適用植物・対象害虫・使用量・使用方法などが定められています。

この記事ではSISU PLUS PLANTSで実際に使用していることだけを紹介し、使用量は一律におすすめしません。

使用する場合は、手元の製品ラベルを確認し、記載された使用方法を守ってください。

【Amazon商品リンク:オルトラン】


奄美大島・SISU PLUS PLANTSでの冬越し

ここは地域による違いが大きいため、奄美大島での実育成記録と、冬に気温が下がる地域での管理を分けて紹介します。

SISU PLUS PLANTSで育てた今回のマカイエンセは、1年目の冬も落葉しませんでした。

育成場所は、10℃を下回らない室内環境。

植物育成LEDと風を使って管理していました。

その環境では完全に成長が止まることはなく、冬の間もゆっくりと成長を続けました。

ただし、暖かい時期と比べれば成長スピードはかなりゆっくりです。

これが、今回のマカイエンセで実際に確認した冬の姿です。


本州など冬に気温が下がる地域での管理

ここからは、奄美大島での実育成記録ではなく、一般的な冬管理の考え方です。

マカイエンセは、気温が下がる環境では葉を落とし、休眠へ向かうことがあります。

休眠(きゅうみん)とは、寒さなどに合わせて植物の成長がほとんど止まった状態のこと。

この状態では、生育期と同じペースで水を与え続けるのではなく、株の状態や温度に合わせて水やりを減らしていきます。

特に注意したいのが、低温+過湿です。

寒い時期に鉢の中が長く湿った状態になることは避け、霜にも当てないよう管理します。

ただし、冬だから一律に「完全断水」「○日に1回」と決めるのではなく、

  • 最低温度
  • 落葉しているか
  • 株が動いているか
  • 鉢や用土の乾き方
  • 室内か屋外か

を確認しながら調整することが大切です。

奄美大島のSISU PLUS PLANTSのように、冬でも温度・光・風を確保した環境と、気温が大きく下がって休眠している株では、水の必要量も同じではありません。


約1年5か月育てた現在のサイズ

2025年5月14日に播種した株の一例です。

  • 鉢:プレステラ7.5
  • 鉢底からの高さ:約11.5cm
  • 塊根部の横幅:約4cm

これは、SISU PLUS PLANTSで育てている一株の実測値です。

同じ日に播種した株でも成長には大きな個体差があります。

そのため、

「1年5か月育てれば塊根が4cmになる」

という成長目安ではありません。

むしろ、同じ環境でも一株ずつ違う成長を見せるところに、実生の面白さがあります。

【写真:メジャーと一緒に撮影した現在の株|代替テキスト:2025年5月14日播種のパキポディウム・マカイエンセ実生株の塊根サイズ】

2025年5月14日播種のパキポディウム・マカイエンセ実生株の塊根サイズ

育てて感じたマカイエンセの魅力

マカイエンセは、ぷっくりとした塊根が少しずつ育っていく姿がかわいいパキポディウムです。

SISU PLUS PLANTSで育てた印象では、成長はゆっくり。

でも、そのゆっくりさも楽しさのひとつです。

屋外管理を経験した株では、塊根部分にも少し成長が見られました。

また、SISU PLUS PLANTSの育成環境では、春と秋に成長の動きを特に感じています。

パキポディウムを育てた経験がある方なら、特別に育てにくいという印象もありません。

今回発芽した株については、その後の育成途中で枯れた株もありませんでした。

もちろん、これは今回の育成結果であり、すべてのマカイエンセに当てはまるものではありません。


毎日の小さな変化が、だんだん愛おしくなる

種を播く。

小さな根が出る。

双葉が開く。

そして、本葉が出始める。

そこから少しずつ幹が太くなり、一株ずつ違う姿になっていきます。

毎日見ていると、

「本葉が出た」

「少し太くなった」

「この子だけ成長が早い」

そんな小さな変化に気づくようになります。

同じ日に播いて、同じ環境で育てたはずなのに、みんな同じ姿にはなりません。

その違いに気づくたび、一株一株がだんだん愛おしくなってきます。

完成した植物を育てるのも、もちろん楽しい。

でも、

種から根が出て、双葉、本葉、そしてぷっくりとした塊根へ育っていく毎日の変化を見られること。

これは実生だからこそ味わえる楽しさです。

「この子はどんな形になるんだろう」

そう思いながら毎日植物を見る時間まで、実生の楽しみなのだと思います。


まとめ|奄美大島でマカイエンセを種から育ててみて

今回のマカイエンセは、

2024年8月
国内自家採取の種子

↓

2025年5月14日
20粒播種

↓

約1〜2週間
発芽が始まる

↓

約半数が発芽
発芽後に育成途中で枯れた株なし

↓

約1年間
プレステラ90で室内LED育成

↓

2026年春ごろ
プレステラ7.5へ植え替え

↓

2026年初夏ごろ
屋外管理へ移行

↓

約1週間
半日陰・遮光から徐々に光へ順化

↓

順化後
雨を避けながら直射日光で育成

↓

2026年8月28日
店内LED管理へ移行

↓

現在
BRIM PANEL A 65W・約30cmの距離で育成中

という経過をたどっています。

同じ日に播種し、同じ条件で育てても、成長の仕方は一株ずつ違いました。

だからこそ、実生は面白い。

SISU PLUS PLANTSでは、これからも奄美大島で育つマカイエンセの変化を観察し、この育成記録も更新していきます。


SISU PLUS PLANTSの奄美産マカイエンセ

SISU PLUS PLANTSでは、奄美大島で種から育てたパキポディウム・マカイエンセを取り扱っています。

実生株は一株ずつ、塊根の太さや樹形、成長の仕方が違います。

通販では、商品写真やサイズを確認しながら、それぞれの個性を楽しんで選んでください。

【STORES商品ボタン:奄美産 パキポディウム・マカイエンセを見る】

※売り切れの場合は、SISU PLUS PLANTSの植物一覧から現在販売中の株をご覧ください。


参考資料

  • Royal Botanic Gardens, Kew「Plants of the World Online」Pachypodium rosulatum subsp. makayense
  • Royal Horticultural Society(RHS)Pachypodium属の栽培情報
  • LLIFLE Encyclopedia of Living Forms「Pachypodium rosulatum subsp. makayense」
  • 株式会社ハイポネックスジャパン「リキダス」「ハイポネックス原液」公式製品情報
  • SISU PLUS PLANTS 奄美大島での実生・育成記録(2025年5月14日播種〜)

※当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムを利用しています。リンクを経由して商品を購入された場合、当サイトに紹介料が入ることがあります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました